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オスマン帝国の芸術的な音楽:担う人々の多様性

オスマン帝国支配下の都市(※1)で行なわれた芸術的な技巧を凝らした音楽を担っていた人々は、ムスリム(イスラームという宗教を信仰する人)だけでは無かった。ユダヤ教徒やキリスト教徒もいた。

タンブーリー・イサク Tanbûrî İsak (1745-1814)はユダヤ教徒だった。彼はスルタン・セリム三世 Sultan Selim III (1761-1808)にタンブール Tanbûr という弦楽器を教えていた。

ザハリヤ Zaharya (1740没?)はギリシア正教徒だった。ギリシア正教はキリスト教の東方教会に分類される。ザハリヤはイスタンブル İstanbul のフェネル Fener 地区に住んでいた。メフメト二世 Sultan Mehmet II (1432-1481)のコンスタンティノポリス Constantinopolis 征服によって、ハギア・ソフィア Hagia Sophiā 大聖堂に置かれていたギリシア正教会の総主教座は、そこを追われてしまった。辿り着いた場所はイスタンブルのフェネル地区である(※2)。ギリシア正教会の総主教座がフェネル地区にあったので、周辺にはギリシア正教徒が集まってくるようになっていた。

ザハリヤの作った歌。例えば、Şebnem gibi saçılsın hûn-i eşk-i pür-revânım。これは、マカーム・ヒュセイニー Makam Hüseynî のベステ Beste である(ベステは声楽曲の形式名の内のひとつ)。ウスール Usûl はベレフシャン Berefşan。

ハンパルスム Hamparsum (1768-1839)はアルメニア正教徒である。アルメニア正教はキリスト教の東方教会に分類される。アルメニアはロシアとペルシアの間にある小国である。スルタン・セリム三世の意を受け、彼はハンパルスム譜という独特な楽譜を作った。これは文字によって旋律を記録する「文字譜」とでも言うべきものである。

ジュゼッペ・ドニゼッティ Giuseppe Donizetti (1788-1856)はイタリア人であった。北部イタリアのベルガモ Bergamo に生まれ、イスタンブルで亡くなった。彼はマフムト二世 Sultan Mahmut II (1786-1839)の頃の時代の人で、オスマン帝国の軍楽隊の指導をした。彼の弟ガエターノ・ドニゼッティ Gaetano Donizetti はイタリアのオペラの作曲家として知られている。

※1 例えば、イスタンブル İstanbul、エディルネ Edirne、ブルサ Bursa、テッサロニキ Θεσσαλονίκη (現ギリシア領)など
※2 現在、総主教座はフェネル地区の聖ゲオルギオス大聖堂にある。

文責:白いりんご

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