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トルコ軍楽(Mehter)によるTavas Zeybeği

音の世界遺産 トルコの軍楽音の世界遺産 トルコの軍楽
(1999/08/06)
民族音楽エメル・メネメンジオール

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長い間、8曲目の説明が「前奏曲ペシュレヴィ Peşrev、サバー Sabâ旋法…」となっているのが解せなかったが、

CD review:
The Janissaries - Martial Music of the Ottoman Empire; Turkish military band music of the Ottoman empire
WOUTER SWETS
http://www.iias.nl/oideion/journal/issue01/reviews/swets.html

で疑問が解消。
このwebページによると

Track 8. This is not as indicated a peşrev in makam Saba, but a zeybek, the dominant folk dance of the Aegean region of Anatolia. There are many zeybek. This one has the name Tavas zeybeği, after a town in that region. Its usul is Ağır Oynak (9/2: 3+2+2+2) and its makam Hicazzirgüle. Atatürk made the zeybek into the national Turkish dance.

つまりPeşrevではなくZeybekだと。
またMakamはSabâではなくHicâz Zîrgûleとのこと。

形式はPeşrevにしてはおかしいし、Zeybekの方が納得できる。
またMakamも、Sabâと説明されるより、Hicâz Zîrgûleと説明される方がしっくりくる。

Hicâz Zîrgûle = Zirgüleli Hicâzの模様。
(Neyzen.comでHicâz Zîrgûleの曲を調べるとSADETTİN KAYNAK作曲のTEL TEL TARADIM ZÜLFÜNÜ TELLERİNE GÜL BAĞLADIMという曲があって、その曲の楽譜を見ると題が「ZİRGÜLELİ HİCÂZ ŞARKI --- TEL TEL TARADIM ZÜLFÜNÜ TELLERİNE GÜL BAĞLADIM」となっている)

UsûlはAğır Oynak(9/2拍子、3+2+2+2の構造)とのこと。

ちなみにAğırでは無い(普通の)Oynakは以下のようなリズム型。
ウスール-オイナク

で本当の曲名はTavas zeybeğiとのこと。

Tavasはトルコ西部、エーゲ海地方のデニズリ Denizli県にある街とのこと。

英語版Wikipediaには

Tavas
http://en.wikipedia.org/wiki/Tavas

There is a well known folk dance Tavas Zeybeği, which is always performed at wedding parties in the town.
良く知られた民族舞踊Tavas zeybeğiがある。それは街では常に結婚式のパーティーで演じられる。

とのこと。

Youtubeで検索したら出てきた…

Zeybek Dance *** Tavas Zeybeği ***


こんな踊りなんだ…

ただ、Tavas zeybeğiで検索すると他のメロディー?の曲もある模様。
その辺り良く分からない。

NOTAARSİVLERİ.COM 38.000 NOTA
http://notaarsivleri.com/index.html
に楽譜あった。
OYUN HAVALARIのところ。
Rep.NoEZGİ ADIYÖRESİ DERLEYENNOTAYA ALAN
147TAVAS ZEYBEĞİDENİZLİM. SarısözenM.Sarısözen
   
http://notaarsivleri.com/Thm%20Oyun%20hav.%20nota/0147.png

---------------------------------------------------------------------------------

追記2010/10/30
http://notaarsivleri.com/のSaz_Eserleriの所でも楽譜発見。

http://notaarsivleri.com/Saz_Eserleri_A_H.html
のページ。

REP.NO:354
FORMU:Tavas Zeybeği
BESTEKÂRI:Meçhul
MAKAMI:Hicazkar

http://notaarsivleri.com/sazeserleri/Hicazkar/Hicazkar%20Tavas%20Zeybe%C4%9Fi.png

でmakamがHicazkarになってる。

楽譜の題には

HİCAZKÂR ZEYBEK
"TAVAS ZEYBEĞİ"

またUSÛLÜ:AĞIR AKSAK
テンポは四分音符=72、9/4拍子で記載されている

改定履歴
2010/02/12
Hicâz Zîrgûle = Zirgüleli Hicâzについて追記

2010/10/30
notaarsivleri.comで見つけた別楽譜について追記。その楽譜ではmakamがHicazkar、USÛLÜ:AĞIR AKSAKになっていることを追記

関連記事
トルコの民族舞踊ゼイベク Zeybekについて調べてみた
http://minzokuongaku822.blog122.fc2.com/blog-entry-37.html

歩きつかれて Weary from the long walk ギデ ギデ ヨロルドウム
http://minzokuongaku822.blog122.fc2.com/blog-entry-180.html
トルコの南西部の角、エーゲ海に面したムーラ MUĞLA県ボドルムのZeybek、Gide Gide Yoruldumについての記事。この歌のウスールUsulはTavas zeybeğiと同じAğır Oynak(9/2拍子、3+2+2+2の構造)と思われる。
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テーマ : 民族音楽
ジャンル : 音楽

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No title

昔の記事に対する質問で申し訳ないのですが、
このCDの解説にはジェッディンデデンのウスルがソフィヤンと書いてありますが、
ニューグローブなどの辞典ではソフィヤンのリズム型は長-短-短とのように書いてありまして…。どうしてもジェッディンデデンなどは短-短-長のリズム型に聞こえるのですがこれもやはりソフィヤンなのでしょうか?
もしよろしければ教えてください。

Sofyan

さいとう様

CDの解説の「ウスールがソフィヤン」は正しいです。
「ニューグローブなどの辞典ではソフィヤンのリズム型は長-短-短」である、との解説も正しいです。

私自身、まだまだトルコ音楽が良く分かっていない所だらけで、自信を持って説明できず申し訳ないのですが、現時点での私の理解は以下のようなものです。



「短-短-長のリズム型に聞こえる」というのは、太鼓の伴奏パターンを聞いているため、そのように聞こえるのではないでしょうか。

太鼓の伴奏パターンを聞いている、というのは、西洋音楽的な捉え方をしてしまっているのではないでしょうか。西洋音楽的な捉え方をしてしまっているために、「短-短-長のリズム型に聞こえてしまう」のではないでしょうか。

太鼓の音のみで捉えると「短-短-長のリズム型に聞こえてしまう」というのは分かります。
音のみで捉えると「短-短-長のリズム型に聞こえてしまう」というのは分かります。
私もそのように聞こえます。
でも、音を捉える、という、何と言うか西洋音楽的?な捉え方ではなくて、「言葉を捉える」というトルコ音楽的な捉え方をすると、この問題が理解できるようになると思います。

西洋音楽は「純粋音楽」と言って、純粋な音楽であることを誇っています。交響曲は歌ではありません。器楽曲です。ピアノソナタに歌詞は付いていません。

それに対して、トルコ音楽は声楽曲が中心の音楽です。
トルコ音楽のレパートリーのほとんどは歌です。
基本的に、トルコ音楽には歌詞があります。

そして歌詞の区切れ方、歌詞のリズムは、トルコ音楽にとって、とても重要なものです。

ジェッディンデデンの歌は、

Ceddin deden neslin baban

と歌っています。最初の部分です。
この歌詞の区切れ方は

Ceddin deden / neslin baban

と区切れます。
「Ceddin deden」でひとまとまりです。
これに対応するウスールがソフィヤンです。

根本的な部分で、考え方、捉え方が異なります。

「Ceddin deden」と歌っている部分は、西洋音楽風に言えば、4拍でひとまとまりになってます。
4拍でひとまとまりになるウスールはソフィヤンしかありません。

よってジェッディンデデンの歌のウスールはソフィヤンで正しいのです。

失礼ですが、「どうしてもジェッディンデデンなどは短-短-長のリズム型に聞こえるのですが」という理解の仕方が間違っている、のだと思います。

ソフィヤンにおいては長-短-短という区切れ方の部分はあまり意味がないです。(別のウスールでは意味があります)
全体の長さが4の長さである、というのが重要です。
1周期の長さが4である、というのが大事です。

※別のウスールでは区切れ方は重要になってきます。
ウスール:Aksakも、ウスール:Raks aksağıも9の長さです。
1周期で9の長さです。
西洋音楽風に言えば9拍子です。

でも、ウスール:Aksakは9=2+2+2+3で、ウスール:Raks aksağıは9=2+3+2+2です。区切れ方は重要です。


全体の長さ(=1周期の長さ)が4のウスールはソフィヤンしかありません。
そのためトルコ人は長-短-短も短-短-長も、いっしょくたにしてるのではないでしょうか。

いいかげん、と言えばいいかげんですが、それは音で考えた場合の話です。
トルコ音楽にとっては音のリズムよりも先に、歌詞のリズムがあります。歌詞のリズムが重要です。

まず、歌詞があって、歌詞のリズムが重要で、歌詞のリズムに音が合わせています。

根本の違いが、面白いところです。

> 昔の記事に対する質問で申し訳ないのですが、
> このCDの解説にはジェッディンデデンのウスルがソフィヤンと書いてありますが、
> ニューグローブなどの辞典ではソフィヤンのリズム型は長-短-短とのように書いてありまして…。どうしてもジェッディンデデンなどは短-短-長のリズム型に聞こえるのですがこれもやはりソフィヤンなのでしょうか?
> もしよろしければ教えてください。

ありがとうございます

丁寧なご回答ありがとうございます。
どうしても西洋的な思考ですべて考えてしましますね…。

1周期の長さが4であるものはソフィヤンだけということ、
トルコ音楽は歌詞のリズムを大事にしているということで、
なんとなくですが、分かったような気がします!

今、西洋側からみたトルコ趣味に興味がありまして、
リュリ作曲の町人貴族のなかの行進曲などを聴いているのですが、
音源では太鼓が長-短-短などのリズム型を使用しているものが多いので、
17世紀当時でも、ヨーロッパ人は太鼓のリズム型だけを聴いて、
トルコっぽいと判断していたのかな、などと考えました。

サイトが挙げられていた、ウスルの一覧のウェブサイト分かりやすかったです。
ちなみに、このような一覧が解説されている文献などはありますでしょうか?

ウスールについての文献

ウスールについての文献はニューグローブの辞典の「Turkey」項に挙げられている

İ.K. Özkan: Türk mûsikısi nazariyatı ve Usûlleri (Istanbul, 1984)

が良いのではないでしょうか。
トルコ語ですが…

> 丁寧なご回答ありがとうございます。
> どうしても西洋的な思考ですべて考えてしましますね…。
>
> 1周期の長さが4であるものはソフィヤンだけということ、
> トルコ音楽は歌詞のリズムを大事にしているということで、
> なんとなくですが、分かったような気がします!
>
> 今、西洋側からみたトルコ趣味に興味がありまして、
> リュリ作曲の町人貴族のなかの行進曲などを聴いているのですが、
> 音源では太鼓が長-短-短などのリズム型を使用しているものが多いので、
> 17世紀当時でも、ヨーロッパ人は太鼓のリズム型だけを聴いて、
> トルコっぽいと判断していたのかな、などと考えました。
>
> サイトが挙げられていた、ウスルの一覧のウェブサイト分かりやすかったです。
> ちなみに、このような一覧が解説されている文献などはありますでしょうか?
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